グラビター(Gravitor) 60mg 50錠

グラビター(Gravitor)の概要

グラビターは筋肉の収縮を促進するお薬で、主に重症筋無力症の治療に使用されます。インドのムンバイに本社を置き、ジェネリック業界において世界トップクラスの大手製薬会社であるSun Pharma（サンファーマ）社が製造・販売しています。

重症筋無力症とは末梢神経と筋肉の接合部（神経筋接合部）において、筋肉側の受容体が自己抗体によって破壊される病気です。全身の筋力低下や疲労感が出現し、主に眼瞼下垂や複視などの視覚症状が現れることが一般的です。また、嚥下がうまくできなくなることもあり、進行すると呼吸筋の麻痺が起こして呼吸困難を引き起こすこともあります。

国内の疫学調査によると、重症筋無力症の患者数は約3万人と推定され、直近10年で2倍近く増加していることが確認されています。男女比ではやや女性が多く、発症年齢については男性では60歳、女性では58歳と男性がやや高い傾向にあります。

重症筋無力症の治療法としては一時的な「対症療法」と根治的な「免疫療法」 があり、対症療法として使用されるのはグラビターなど神経から筋肉への信号伝達を促す働きのあるコリンエステラーゼ阻害薬とよばれるお薬です。

グラビターの効果・効能

グラビターの有効成分である臭化ピリドスチグミン60mgはコリン作動薬の一種で、コリンエステラーゼ阻害剤に分類される薬剤です。アセチルコリンエステラーゼの働きを抑制することで、神経末梢のアセチルコリン濃度を高めて副交感神経の活性化を促し、神経筋接合部の機能を回復させます。

臭化ピリドスチグミンの作用時間は一般的に3時間から6時間程度で、可逆的なコリンエステラーゼ阻害剤の中では作用する時間が長いタイプになります。対症療法的に用いられる薬剤のため、病気そのものの根本原因に対して効果を示すことはできません。

グラビターの使用方法・注意事項

グラビターの服用方法は、通常成人は1日3錠を3回に分けて服用します。ただし、医師の監督の下で症状に応じて用量や服用回数を増減することができます。

副作用で多くみられるのは下痢や腹痛、唾液の増加、発汗などです。また、多量を服用するとコリン作動性クリーゼとよばれる重篤な急性中毒を起こすことがあります。症状のひどい場合は使用を中止し、すぐに医療機関へ受診してください。

尿路が閉塞している患者や、腸に通過障害のある病気の患者にはグラビターは使用できません。また、以下に該当する患者は十分な注意を払って使用する必要があります。

• 喘息
• 心臓病
• 腎臓病
• 胃潰瘍
• パーキンソン症状
• てんかん

・使用方法に関しては、かかりつけの医師などに相談してからご使用ください。
・保管方法は、高温や湿気の多い場所は避けるようにしてください。
・副作用が出た際には、医師に相談することをおすすめいたします。