フォラコート(FORACORT) 吸入器 400mcg + 6mcg 120回分

フォラコート(FORACORT)吸入器の概要

フォラコートは、喘息や慢性閉塞性肺疾患（COPD)に効果がある吸入薬です。２種類の有効成分が配合されている、ハイブリッド吸入薬であり、気管支（気管の下端から両端に分かれて、両肺に通じる細い管）を広げて呼吸を楽にする効果と、気道（鼻腔の入り口内から肺に達するまでの道）の炎症を和らげる効果と、2つの効果があります。

単剤で使用する吸入薬に比べて、２種類の有効成分の相乗効果による優れた呼吸機能改善効果が期待できます。維持療法として定期吸入することになりますが、即効性もあるため発作発現時に追加して頓用することも可能です。

ジェネリック大国であるインドの製薬会社で、世界的にも有名なシプラ（Cipla）社で製造、販売されています。シプラ社は一般医療薬品、抗生物質、抗がん剤、喘息薬、抗エイズ剤、糖尿病薬、動物用ヘルスケア用品など幅広い分野の薬を製造しており、北欧や南米、アジアやヨーロッパ、中東やアフリカなどの世界150ヵ国に輸出している、インドの筆頭格製薬会社です。世界保健機構（WHO）の許認可機関に承認されています。

フォラコートの効果・効能

フォラコートの有効成分はブデソニドとホルモテロールブデソニドです。ブデソニドはステロイド系抗炎症薬と言われており、ホルモテロールはβ2アドレナリン受容体刺激薬と言われています。

ブデソニドは強い抗炎症作用があり、アレルギー反応や炎症を抑え、気道の炎症を引き起こす原因である好酸球増加や血管透過性亢進などを改善します。炎症を普段より抑えることで、発作予防において重要な役割を担っています。

ホルモテロールはβ2アドレナリン受容体を刺激することで、気管支を拡張します。気管支壁の平滑筋は自律神経による作用が大きく、β2アドレナリン受容体の刺激により、気管支壁の平滑筋は弛緩する為、気管支を拡張する効果を発揮します。また、β2アドレナリン受容体は気管支に多く分布しているので、他の器官に影響を与えにくいことが知られています。

吸入ステロイドは効果を発揮するまでに時間を要するため、発作時などの急性期の症状には効果があらわれにくいという特徴がありますが、β2アドレナリン受容体刺激薬は即効性があるため効果が早く、長期間にわたり持続します。

ですので、フォラコートは急性期の症状にも高い効果を発揮するとともに、効果の長期的な持続、発作の予防などの効果も合わせて発揮することで、長期的な喘息や慢性閉塞性肺疾患のコントロールも可能にするのです。

フォラコートの使用方法・注意事項

気管支喘息に用いる場合

・通常、成人では維持療法として１回１吸入を１日2回します。症状に応じて適宜増減できますが、1回の最高量は4吸入で、1日2回までとしてください。1回1吸入あるいは1回2吸入を1日2回定期吸入している場合は、発作時に頓用吸入を追加します。発作時は1吸入し、数分しても症状がある場合はさらに追加で1吸入します。必要に応じて追加していきますが、1回の発作につき最大6吸入までです。通常1日の最高量は8吸入までですが、1時的に1日合計12吸入まで増量することが可能です。

慢性閉塞性肺疾患（COPD)の場合

・通常、成人では1回2吸入を1日2回吸入投与します。

特に吸入時間は決まっていませんが、毎日定められた時間に吸入することをおすすめします。定められた時間に吸入し忘れた場合は、気が付いた時にできるだけ早く1回分を吸入して下さい。ただし、次に吸入する時間が短いときは、1回分をとばして、次回から通常通りに1回分を吸入して下さい。絶対に2回分を1回で吸入しないでください。

副作用としては、声がれ、筋けいれん、動悸、振戦、咽頭痛、発疹、肺炎等があり、重大な副作用としては、アナフィラキシー、じんましん、高血糖、抑うつ、重篤な結成カリウム等があります。すべての副作用を記載したわけではありません。その他にも、使用禁忌や併用禁忌がありますので、使用前には必ず医師や薬剤師に相談して下さい。

・使用方法に関しては、かかりつけの医師などに相談してからご使用ください。
・保管方法は、高温や湿気の多い場所は避けるようにしてください。
・副作用が出た際には、医師に相談することをおすすめいたします。