ゼルヤンツ（XELJANZ）5mg 56錠

ゼルヤンツ（XELJANZ）の概要

ゼルヤンツは、ファイザー社が製造・販売する関節リウマチを主な治療対象とする薬になります。過去、世界市場で初めて発売されたヤヌスキナーゼ阻害薬として注目を集めました。その効果の対象は、関節リウマチだけでなく、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎と様々な疾患で選択されています。

さらに最近では、欧米で軸性脊椎関節炎への適応が承認される方向となりました。ヤヌスキナーゼは、細胞外からの様々な刺激を細胞内に伝えるために働く酵素群です。さらにJAK1、JAK2、JAK3、TYK2の4種に分類されます。ゼルヤンツは、ヤヌスキナーゼの中でもJAK1、JAK2、JAK3の3分類を阻害する効果があります。

これらの酵素を阻害する事で、関節リウマチの症状を軽減する効果が期待できます。関節リウマチは、罹患率0.6～1.0%と推計されている非常に身近にある難治性疾患です。

治療は、薬物療法や手術が用いられますが、その効果は個人差が大きく対応が難しいのが特徴となっています。ゼルヤンツだけの服用で効果を十分示す事も多いため、簡便性からも選択されます。

ゼルヤンツの効果・効能

ゼルヤンツの有効成分は、トファシチニブクエン酸塩です。ヤヌスキナーゼを阻害する作用を持ち、サイトカインによる炎症反応の伝達を抑制する効果が期待できます。

サイトカインは、細胞表面にあるサイトカイン受容体に結合する事で刺激を伝達し、その刺激が細胞内に伝わり炎症反応が起こります。ヤヌスキナーゼは、サイトカイン受容体を受け取った刺激を伝達する働きを行っています。ゼルヤンツによって、ヤヌスキナーゼの働きを阻害すれば、刺激の伝達が抑制され炎症反応を引き起こさないようにする事が可能です。

リウマチ治療薬は、注射によって投与される薬も多い中、ゼルヤンツは毎日内服する治療薬なので簡便性が高いと捉える事もできます。

ゼルヤンツの使用方法・注意事項

ゼルヤンツの服用方法は、1回5mgを1日2回服用します。腎機能や肝機能に問題がある場合は、副作用を避けるため、同量を1日1回の服用となります。日本リウマチ学会でも推奨していますが、一般的に過去のリウマチ治療においてメトトレキサートなどの抗リウマチ剤で十分な効果が得られなかった際にゼルヤンツが検討する事となっています。

一部の見合わせの悪い薬があるため、常用薬がある場合は、併用可能か医師や薬剤師に確認してから服用を行いましょう。主な副作用としては、帯状疱疹などの感染症やリンパ球減少、腎機能・肝機能障害が報告されています。服用後に体調不良を引き起こした場合は、速やかに医療機関を受診して下さい。

・使用方法に関しては、かかりつけの医師などに相談してからご使用ください。
・保管方法は、高温や湿気の多い場所は避けるようにしてください。
・副作用が出た際には、医師に相談することをおすすめいたします。