リノックス（LINOX）600mg 10錠

リノックス（LINOX）の概要

リノックスは、細菌等の病原体が身体の中に侵入し増殖することで発熱や下痢などの症状の原因になる、細菌感染症の治療に使用される、抗生物質です。主に肺炎や軟部組織の感染症等に使用されます。また、強力な効果が得られるため、重度な細菌感染症に使用されることが多いです。

細菌感染症は時によっては重篤な症状を引き起こします、血液中から細菌が検出される肺血症等は、すぐに処置を行わないと命にかかわる場合もあります。リノックスの適応している細菌感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)をはじめとし、肺血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷および手術創等の2次感染、肺炎等であり、幅広い細菌感染症に使用されています。

リノックスは1959年に設立された、世界的に有名なインドの歴史ある大手製薬会社、トレントファーマ (Torrent Pharmaceuticals)社によって、製造・販売されています。トレントファーマ社は、アメリカやヨーロッパ、ロシアなど、世界各国に輸出をしており、抗感染症薬や循環器系の薬、ジェネリック医薬品の製造に力を入れており、日本国内では生活習慣病や感染症の予防に多大に貢献している、グローバルな製薬会社でもあります。

リノックスの効果・効能

リノックスの有効成分はリネゾリドであり、オキサゾリジノン系薬と言われています。リネゾリドは、細菌の繁殖を防ぐことで、細菌感染症を治療する効果を発揮します。

人間の身体も細菌も、様々なタンパク質によって作られています。人間の身体では水分の次に多いのがタンパク質です。様々なタンパク質の主な情報がDNA（デオキシリボ核酸）であり、このDNAの1部のタンパク質情報をRNA（リボ核酸）がリボソームと言う器官に持っていき、リボソームで複製していくことで、常時タンパク質が作られていきます。

リネゾリドは、このリボソームの作用を阻害することで、細菌のタンパク質複製を防ぐことにより、細菌の繁殖を抑えて死滅させる効果を発揮します。

また、私たち人間の身体にあるリボソームは、細菌の持つリボソームと形が異なります。リネゾリドは選択的に細菌のリボソームだけの作用を阻害しますので、人間の身体にあるリボソームを阻害することなく、細菌の繁殖を減らすことができるのです。

さらにリネゾリドのこの作用は、これまでとの抗菌作用と全く異なる構造を有した抗菌薬として開発されており、既存の抗菌薬とは構造や作用点が違う為、既存の抗菌薬では対応できなかった細菌にも、効果を発揮します。

リノックスの使用方法・注意事項

リノックスは通常、成人では1日2回、1回600mgを服用します。服用間隔は12時間です。12歳以上の小児も、成人同様の服用方法です。12未満の小児に関しては、1日3回、体重1kgに対して10mg服用します。例えば体重20kgであれば、1日に3回、200mg（20×10mg）を服用します。

服用する時間帯は決まっていませんが、朝食後と夕食後等の分かりやすい時間帯に分けて服用することをお勧めします。飲み忘れに気付いた時は、すぐに服用して下さい。ただし、次回の服用分との時間が短い場合には、1回分とばして次回分から服用して下さい。絶対に2回分を1度に飲まないでください。

副作用としては、以下の症状が報告されています。

• 悪心
• 嘔吐
• 下痢
• 呼吸困難
• 味覚倒錯
• 発疹
• 血管痛

稀に入内な副作用として、骨髄抑制、代謝性アシドーシス、視神経症、アナフィラキシーなどの報告があります。すべての副作用を記載したわけではありません。ビールや赤ワイン、チーズ等のチラミンと言う物質が多く含まれるものとの併用は注意が必要です。その他にも、使用禁忌や併用禁忌等がありますので、使用前には必ず医師や薬剤師に相談して下さい。

・使用方法に関しては、かかりつけの医師などに相談してからご使用ください。
・保管方法は、高温や湿気の多い場所は避けるようにしてください。
・副作用が出た際には、医師に相談することをおすすめいたします。