イリウム(Ilium) 点耳薬 20ml

イリウム(Ilium) 点耳薬の概要

イリウムはアメリカのTROY（トロイ）社から製造・販売されている、犬・猫用の点耳薬です。主に耳ダニ感染症やマラセチアなどの細菌・真菌性外耳炎の治療に用いられます。

耳ダニ感染症は耳疥癬ともよばれ、ミミヒゼンダニが寄生することで起こる病気です。ミミヒゼンダニは耳の中の角質などを餌にして生活しており、耳の中で排泄や産卵することで増殖します。耳垢が大量にでたり、かゆくなったりすることが主な症状としてあげられます。

マラセチア性外耳炎とは、犬や猫の皮膚に常在しているマラセチアという酵母菌が増殖することでおきる炎症です。マラセチア自体は健康な皮膚にも常にいますが、過剰に増えることで皮膚が脂っぽくなったり、激しいかゆみを引き起こします。

黒っぽい耳垢がでたり、独特な臭いがなどの症状があります。イリウムは、このような症状の治療及びかゆみなどの緩和に効果があります。

イリウム 点耳薬の効果・効能

イリウムの有効成分は以下になります。

• ジクロロフェン(Dichlorphen)
• リグノカイン(Lignocaine Hcl)
• ピペロニルブトキシド(Piperonyl Butoxide)
• ピレトリン(Pyrethrins)

ジクロロフェンは、抗菌剤で犬や猫に寄生した回虫や鉤虫、条虫などを駆除します。殺菌効果を活かした消臭剤、シャンプー等にも使用されています。

リグノカインは麻酔薬としても用いられている成分です。作用発現が早く、かゆみをすばやくとりのぞくという特徴があります。

ピペロニルブトキシドは、殺虫効果を高める添加剤や防虫剤として用いられています。

ピレトリンは除虫菊に含まれる殺虫成分です。虫に対する殺虫効果は高く人畜には毒性が低いのが特徴で、蚊取り線香などにも用いられています。

いずれの成分も効果は高いですが犬や猫に影響は少ないので、安全に使用いただけます。

イリウム 点耳薬の使用方法・注意事項

イリウムは、1日2回4～8滴を耳の中にたらし、耳の付け根の部分を優しくもみこんでください。点耳する量は犬の症状により異なります。

副作用の報告はありませんが、使用後に異常が起きた場合はすぐに使用を中止してください。イリウムは寄生している卵が孵化し、ダニが全滅するまで投与する必要があります。かゆみがおさまったように見えても完治していないことがあるので、完全に駆除が確認されるまで最低1カ月は治療を続けましょう。

・使用方法に関しては、かかりつけの医師などに相談してからご使用ください。
・保管方法は、高温や湿気の多い場所は避けるようにしてください。
・副作用が出た際には、医師に相談することをおすすめいたします。