ジルテック(ZYRTEC) 10mg 100錠

ジルテックの概要

ジルテックは、アレルギー症状を抑える医薬品です。アレルギーの発症には、ヒスタミンという体内物質が関与します。ヒスタミンの受容体をブロックし、その働きをおさえることでアレルギー症状を緩和します。

代表的な疾患は花粉症（かふんしょう）です。花粉症は、植物の花粉が原因で生じる季節性アレルギー疾患の総称です。主に、鼻の症状からなるアレルギー性鼻炎や目の症状からなるアレルギー性結膜炎が現れます。また、花粉皮膚炎と呼ばれる痒みを引き起こす皮膚症状も報告されています。原因となる植物は、スギやヒノキ、ヨモギ、ブタクサなどが有名です。日本はスギ花粉症の占める割合が最も多いため、スギ花粉が散布される1月に花粉症がよく見られます。

続いてヒノキ花粉も原因としては多く、3月に散布されるため1月〜4月に患者数が多くなります。花粉は体に取り込まれると免疫機構によって異物として認識され、IgE抗体が作り出されます。その後、再度花粉が侵入すると、IgE抗体が花粉を異物として捕らえ、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンといった物質が放出され、神経や血管が刺激されることで花粉症を発症します。

ジルテックの効果・効能

ジルテックの主要成分は、セチリジンになります。アレルギー反応がはじまると、肥満細胞からヒスタミン等の化学伝達物質が放出されます。セチリジンの作用は、ヒスタミンの受容体を阻害し反応が起こらない環境にする事ができます。

また、ロイコトリエン等のアレルギーに関与する化学伝達物質の遊離を抑える作用があります。ジルテックのメリットは、ヒスタミン受容体に対する選択性が高く、余計な副作用が減弱されている点です。他のアレルギー緩和薬では、口の渇きや排尿傷害が見られる事が多いところ、このような副作用はほとんど見られません。

時間をかければ、鼻づまりにも効果を示しますが、くしゃみや鼻水の症状改善には即効性があります。また、一度服用すれば効果時間も長く非常に使用しやすい医薬品になっています。

ジルテックの服用方法・注意事項

通常、成人は1回10mgを1日1回、就寝前に経口服用します。1日の最高服用量は20mgを目安として下さい。副作用はほとんどありませんが、眠気や倦怠感を引き起こす事があります。

服用後に車の運転や危険な機器の取扱いをする際には注意をしなければなりません。花粉症においては、予防の意味で症状が出る前から使用する事があります。より高い効果を得るためには、花粉飛散予測日を確認しその日から服用を開始して下さい。