バスタレル(VASTAREL) MR 35mg 60錠

バスタレルMRの概要

バスタレルMRは、セルビア社が製造・販売する狭心症や心筋梗塞治療に用いられる医薬品です。狭心症とは、心筋に血液を送る冠動脈が閉塞する事で酸素不足が引き起こされ、胸の痛みや圧迫感を生じさせる疾患になります。主な発症原因は、血管の内側にコレステロールなどが付着して血管が狭く硬くなる動脈硬化と考えられています。

狭心症による胸の痛みは数分間〜15分以内でほとんど消失しますが、この症状を放置していると血管が完全に詰まってしまう心筋梗塞を引き起こす可能性があります。心筋への血流が途絶えると、その部分の心筋は壊死し、壊死の範囲が広がると心臓の機能が著しく低下します。結果、重症の場合は死に至ることもあります。

心疾患は、長く日本人死亡原因の第2位となっており悪性新生物に次ぐ多さとなっています。死亡原因の中でも突然死が多いのが心疾患で、日頃からの予防が非常に大切と考えられています。

バスタレルMRの効果・効能

バスタレルMRの主要成分は、塩酸トリメタジジンとなっています。抗血小板作用があるため、血小板の働きを抑える事で血液が血管内で固まるのを防ぎ、血栓や塞栓の予防が可能です。

さらに血管を収縮させる物質であるプロスタグランジンF2αの作用を抑えて血管を広げて血流をよくする作用もあり、心筋の酸素不足や栄養不足を防ぐ事ができます。血管拡張作用と血液凝固抑制作用によって、心筋への血流状態を改善する事で狭心症などの虚血性心疾患を防ぎます。

バスタレルMRの服用方法・注意事項

バスタレルMRの服用方法は、通常成人1回3mgを1日3回経口投与します。飲み忘れた場合は、気がついた時点で1回分を飲んでください。次回服用時までに時間の間隔がない場合には、1回分の服用をやめ、絶対に2回分を一度に飲まないようにして下さい。他の医薬品等と同時服用をするとお互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、市販薬や食品も含めて注意が必要です。

特に降圧剤や利尿剤との併用は、血圧を下げ過ぎてしまう事があります。服用のタイミングはそれぞれ決められた時間に3回服用し、血中濃度を一定にする事が大事です。胸の痛みなどが発生した時に急に飲んでも、即効性が期待できる作用機序ではないので、よい効果は望みにくくなっています。副作用は少ない安全性の高い医薬品ですが、まれに吐き気や胃部不快感、食欲不振、頭痛、けん怠感、ふらつき、発疹などの報告があります。これら症状が続く時や服用後、かえって胸の痛みや圧迫感が増悪する場合には、医療機関に相談して下さい。