ゾロフト(ZOLOFT) 50mg 30錠

ゾロフトの概要

ゾロフトは、ファイザー社が製造・販売するうつ病の治療に用いる医薬品です。うつ病のほか、パニック障害、外傷後ストレス障害（PTSD）などいろいろな心の不具合に使用されています。うつ病とは、日常生活に強い影響が出ほどの気分の落ち込みが続いたり、何事にも意欲や喜びを持ったりすることができなく無気力になったりする心の病気です。

うつ病の明確な発症メカニズムは現時点では解明されていませんが、うつ病患者は神経伝達物質であるセロトニンやドパミンに問題が生じているという可能性が示唆されています。セロトニンは心を落ち着かせ、ドパミンは活動性を高めて楽しみを感じさせます。また、うつ病は精神的な症状のみではなく、不眠や食欲低下、頭痛、消化器症状といった身体的な不調も引き起こすことが多くなっています。

ゾロフトの効果・特徴

ゾロフトの薬効成分であるセルトラリンは、セロトニンを再取り込みするセロトニントランスポーターの働きを阻害します。セロトニンは精神を安定させる作用があるので、脳内のセロトニン濃度を高め円滑な神経伝達を可能とし、うつ症状を改善する事ができます。選択的セロトニン再取込阻害薬とも呼ばれ、セロトニントランスポーターにだけ結合し、その他の受容体にはほとんど作用しないので副作用がほとんど出ない事が特徴です。

その事から長期の維持療法にも適します。抗うつ薬に多い口の乾きや便秘、心毒性などの副作用が軽減されています。また、血中濃度半減期が約1日あるので、1日1回服用なのも利点です。使いやすさと、副作用がマイルドで中止もしやすいことから、うつ病等精神疾患の第一選択肢として使われる事が多くなっています。セルトラリンはドパミンもわずかに増加させることができるので、無気力等を伴ううつ病の症状を改善する可能性もあります。

ゾロフトの服用方法・注意事項

ゾロフトは通常、1日25mgを1日1回経口服用します。効果があまり見られない場合は、1日最大100mgを超えない範囲で用量を増やして様子を見て下さい。副作用は、抗うつ薬に多くみられる口の乾きや便秘などが見られる事がありますが、他の同様の治療効果のある薬と比べると発生報告は少ないです。

稀にかえって神経過敏になり、不安感が生じたり、落ち着かない気分になることがあるのでその際は医療機関を受診するようにしてください。抗うつ薬は、症状の回復を早めますが原因そのものは治せません。症状が落ちついて来たら、生活環境をもう一度見直す等して焦らず治療をおこなってください