ミニリン（MINIRIN）0.1mg 15錠

ミニリン（MINIRIN）の概要

ミニリンは、Ferring Pharmaceuticals（フェリング・ファーマ）社が製造・販売する、抗利尿ホルモンであるバソプレシンの合成アナログであり、尿量の調節や多尿症、中枢性尿崩症、夜尿症、男性の夜間頻尿などの治療薬です。

バソプレシンは通常、脳下垂体で分泌されるホルモンであり、尿細管での水分再吸収を促進する作用を持ちます。ミニリンはバソプレシンの作用を模倣し、水分の過剰排泄を抑制し、尿量を減少させる効果があります。

フェリング・ファーマ社は、1950年創業のスイスのサン・プレヴ・プレ・ラミーに本社を構える製薬会社です。研究開発を重視し、患者の医療ニーズに対応する高品質な医薬品の提供に取り組んでいます。特に婦人科領域では、不妊治療や妊娠補助、子宮内避妊装置、子宮筋腫治療などの分野で幅広い製品を提供し、泌尿器科領域では、前立腺がん治療や排尿障害治療などにも取り組んでいます。

ミニリンの効果・効能

ミニリンの有効成分であるデスモプレシン酢酸塩です。抗利尿ホルモン分泌不全による多尿症の水分の過剰排泄を抑制し、尿量の調節を行うことで、尿失禁や頻尿の症状を改善します。

デスモプレシン酢酸塩は、抗利尿ホルモンであるアルギニン・バソプレシン（AVP）の誘導体であるため、V2受容体に高い結合親和性を示し、腎集合管での水及び尿素の透過性を亢進させることで、尿を濃くして尿量を減らします。中枢性尿崩症の治療に適しており、夜尿症や男性の夜間頻尿などにも使用されています。

また、凝固因子の不足により、出血リスクが高まる血友病の治療においても有効とされ、凝固因子の放出を促進し、出血時間を短縮する効果があります。

ミニリンの使用方法・注意事項

ミニリンは通常、成人の場合は0.1mgを就寝前に口内に置き、溶かして服用します。また、子供や高齢者の場合は、医師の指示に従って適切な用量を服用します。必ず指示された用量と服用方法に従い、割ったり噛んだりせずに使用してください。服用後はしばらく横になり、尿量の調節が行われるまで横になることが推奨されています。

副作用としては、以下の症状が報告されています。

• 頭痛
• 吐き気
• 腹痛
• 嘔吐

稀に重篤な副作用として脳浮腫、昏睡、痙攣などを伴う重篤な水中毒が報告されているので、副作用を含め、このような症状がみられた場合には、ただちに医師または薬剤師に相談してください。

以下の方は医師に相談の上、慎重に投与する必要があります。

• 心臓病の方
• 高血圧の方
• 腎臓病の方
• てんかんの方
• 気管支喘息の方
• カルバマゼピン、クロルプロパミド、クロフィブラート、リチウムを投与されている方

また、以下の方はこの薬を使用することはできません。

• 低ナトリウム血症の方
• 習慣性または心因性多飲症の方
• 過去に心不全があった人またはその疑いがあり、利尿薬による治療が必要な方
• 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の方
• 腎臓に中等度以上の障害がある方
• 過去にミニリンに含まれる成分で過敏症のあった方

・使用方法に関しては、かかりつけの医師などに相談してからご使用ください。
・保管方法は、高温や湿気の多い場所は避けるようにしてください。
・副作用が出た際には、医師に相談することをおすすめいたします。