ケトラール(KETORAL) クリーム 2% 40mg

ケトラール(KETORAL)クリームの概要

ケトラールクリームは、皮膚に寄生した真菌（カビ）の細胞膜を壊すことで殺菌効果を表す、外用抗真菌剤です。水虫の原因となる白癬菌やカンジダ症の原因となるカンジダ菌、癜風の原因となる癜風菌などの皮膚真菌症の治療に用いられます。その他に、フケの発生予防や脱毛予防の効果もあります。

皮膚真菌症の約90%は白癬菌が原因です。白癬菌やカンジダ菌、癜風菌などは皮膚に常在している菌であり、免疫力が低下した時などにみられる場合があります。原因No1の白癬菌は、ケラチナーゼという酵素を出して、皮膚角質の構成成分であるケラチンというタンパク質を溶かし、それを食べて増殖します。

そのためケラチンの多く含まれる皮膚や爪、髪の毛などに発生しやすいです。ケトラールクリームはその白癬に対して、強い殺菌作用があります。また、人間の皮膚に対しての安全性も高い塗薬でもあります。

1953年に設立されたトルコの老舗の大手製薬会社である、ビリマイラクサン(Bilim ilac san)社によって製造、販売されています。ビリマイラクサンはトルコの製薬業界の中でもトップクラスの製薬会社であり、トルコ製薬会社の中でも最も大きな研究開発センターを所有しています。ビリマイラクサンの薬剤は、世界５０カ国以上に輸出をしており、世界中でも多くの人に使用されています。

ケトラールクリームの効果・効能

ケトラールクリームの有効成分はケトコナゾールであり、表在性抗真菌薬（イミダゾール系）と言われています。人間の細胞膜は主にコレステロールによって構成されていますが、真菌の細胞膜はエルゴステロールという成分で構成されています。ケトコナゾールは、真菌の細胞膜であるエルゴステロールの生合成を阻害することで、真菌の細胞膜の生産抑制をし、殺菌効果を発揮します。

白癬菌、カンジダ菌、癜風菌などに対して高い抗菌作用を示します。白癬菌による足白癬（水虫）や体部白癬（ぜにたむし）、股部白癬（いんきんたむし）、カンジダ菌によるカンジダ性間擦疹（亀頭包皮炎）、癜風菌による癜風、脂漏性皮膚炎などが適応です。

その中でも、脂漏性皮膚炎に対して適応がある抗真菌薬の成分はケトコナゾールだけです。脂漏性皮膚炎の兆候として挙げられるのが、フケの増加です。ケトコナゾールは、頭皮環境を清潔な状態に保つ効果もあります。そのため、脱毛予防止の効果も期待ができます。

ケトラールクリームの使用方法・注意事項

ケトラールクリームは、白癬菌が原因でおこる水虫やぜにたむし、いんきんたむし、カンジダ菌によるカンジダ性間擦疹、癜風菌による癜風の治療に対しては、１日１回患部とその周辺に塗布します。

脂漏性皮膚炎に対しては、１日２回、患部とその周辺に塗布して下さい。

患部の周りも原因菌が存在している場合があるので、周りも塗布することで、完治しやすくなります。塗布するのを忘れた場合には、気付いた時にすぐに塗布して下さい。２回分を１回で使用することはやめて下さい。塗布する時間帯は入浴後をおすすめします。角質層が柔らかくなり、薬剤の浸透性が高まるため、より効果が見込めます。

症状が改善したように見えても皮膚深くに真菌が残っている場合があり、使用を途中でやめると、再発のリスクが高まります。少なくとも、皮膚が生まれわる期間である４週間は継続して使用して下さい。

副作用は少ないといわれていますが、接触皮膚炎、かゆみ、使用部位発赤、使用部位刺激感、などが報告されています。すべての副作用を記載したわけではありません。また、妊婦中の方や授乳中の方、他の薬剤を使用している方には使用に注意が必要です。その他にも使用禁忌や併用禁忌などの可能性がありますので、使用前に医師や薬剤師に相談して下さい。

・使用方法に関しては、かかりつけの医師などに相談してからご使用ください。
・保管方法は、高温や湿気の多い場所は避けるようにしてください。
・副作用が出た際には、医師に相談することをおすすめいたします。