ボベラン(VOVERAN) SR 100mg 90錠

【ボベランの概要】

ボベランは、スイスに本拠地を置くノバルティスファーマ社が製造しています。ジクロフェナクを主要成分とする頭痛や生理痛、歯痛、打撲などの痛みや発熱を軽減するのに有効な医薬品です。体内で炎症などを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑える働きがあります。プロスタグランジンの分泌は、生理中に生じやすくなっていて、子宮を収縮させ、剥がれ落ちた子宮内膜を血液と共に体の外へ押し出す作用を示します。但し、この分泌量が多いと子宮が過剰に収縮してしまい、強い下腹部の痛みとなってしまいます。また、プロスタグランジンには痛みを増強させる作用もある為、頭痛などの原因にもなります。本剤は、ジクロフェナクの成分作用でプロスタグランジンにより誘発される痛みの軽減を図ることができます。

【ボベランの効果】

ボベランは、酸性非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）です。プロスタグランジン合成酵素であるシクロキシゲナーゼを阻害し、プロスタグランジンの産生を抑え、抗炎症作用、解熱作用、鎮静作用を発現させます。プロスタグランジンは、アラキドン酸という体内物質とシクロキナーゼが合わさる事で産生される為、阻害作用により新たな産生の抑制をかける事ができます。服用後30分程度で効果が発現し、半減期は短いですが、効果は6〜8時間と比較的長く持続します。但し、本剤は対症療法薬となる為、痛みや発熱を軽減できてもその原因そのものを治すための薬ではないことに注意して下さい。

【ボベランの特徴】

NSAIDに属する薬は、その化学構造に基づき、いくつかの分類に分けられます。サリチル酸系、フェナム酸系、プロピオン酸系、アリール酢酸系、オキシカム系、コキシブ系、塩基性NSAIDの７つに分類されます。ボベランはアリール酢酸系に属するNSAIDとなり、この分類薬は比較的即効性があるという事がメリットになっています。分類によっては、効果は小さいが胃粘膜への影響が少ない、鎮静作用には効果があるが解熱作用は得られにくい等、NSAIDは状態に合わせた薬の選択が可能です。ボヘランを含むアリール酢酸系とロキソニン等を含むプロピオン酸、バファリン等を含むサリチル酸系がよく服用されています。

【ボベランの服用方法・注意事項】

ボベランは症状によって、服用方法が異なります。一般的な鎮痛や消炎作用に対して服用する場合は、1日に75mg〜100mgを1〜3回になり、1日の上限は100mgとなっています。アスピリン喘息や胃潰瘍など消化性潰瘍症状がある方は、服用をお控え下さい。副作用として、胃の粘膜保護成分の働きを抑えてしまう為、連続した過剰の摂取は胃炎などが起きてしまう場合があるので注意が必要です。